市販のカラー剤って痛むの?

  • 2023年4月16日
  • 2023年4月16日
  • 美容
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市販のカラー剤が痛む理由

高校を卒業してカラーリングに挑戦したい、白髪が出てきて気になる。

そんな時に手軽で安くカラーリングをする手段の市販のカラー剤!

しかし、美容師として見てみるとこんなヤバい製品はないだろ!と言いたくなるのが市販のカラー剤(セルフカラー)

手軽に安くできる市販のカラー剤を使ったセルフカラーの危険性を現役美容師の私が解説していきます!

ピッピさん
ピッピさん

市販のカラーリングには安いだけの理由があります!

セルフカラーのメリット

市販のカラー剤のメリットとしてあげられるポイントは

  • 価格が安い(800円程度)
  • 家でできるので美容室に行く時間を気にしなくてよい
  • コンビニやドラッグストアで購入可能

といったところでしょうか。

価格に関しては美容室でのカラーは5000円から10000円と少し高いと言えますので白髪が1cmでも伸びたら気になる方などは毎月5000円以上美容室代がかかります。

物価が高騰している昨今中々高い出費です。

しかし、セルフカラーですと1000円以下、平均800円程でカラー出来ますので比較にならないほど安いのが魅力です。

美容室を予約して予約の時間に美容室に行き、さらにそこから1時間半以上の時間がかかる

といった点は忙しい方や、時間のない子育てをしている女性には時間を作るのが難しい事を思うと

セルフカラーは近くのコンビニやドラッグストアに行って購入して自分のペースで出来るのは大きな魅力です。

セルフカラーのデメリット

逆にセルフカラーのデメリットは

  • 思った色に染まらない
  • 髪の毛がすごい傷む
  • 片付けが面倒(風呂場が汚れる)

などが挙げられます。

思った色に染まらない、髪の毛がすごい傷むは次のサロンカラーとセルフカラーの違いで解説していきます。

片付けが面倒なのはカラー剤であるがゆえに染めている時やシャンプーをしている時にカラー剤が洗面台や風呂場の床、壁に飛んでしまった場合落とすのが大変です。

私自身、妻の髪の毛を家で染めた時は床などに飛ばしていないか?かなり気を遣いました。

セルフカラーとサロンカラーの違い

ではサロンカラーとセルフカラーはいったい何が違うのか?どうして美容師で染めたようにならないのか?解説していきます。

美容師は複雑なカラーの配合をして均一な髪色にしている

美容室に行けば大量のカラー剤が並べられている光景を見たことがあるのではないでしょうか?

市販のカラー剤はひと箱に一つの色しか入っていませんのでプリンの部分もすでに染めたことのある部分も同じ色で染めてしまうので均一な色になる事はほぼありません。

カラー剤とは髪の毛のメラニン色素の脱色と染毛を同時に行っているのでプリンになっている部分とすでに明るくなっている部分とではメラニン色素量とそこに必要な染料の濃さに違いがあります。

美容室のカラー剤は同じ色味でも複数の明るさがあり髪の毛を狙った色にするために複雑な混合を行います。

(私が使うカラー剤でもアッシュの色味の中で7番から13番の明るさまで5段階あります)

さらに根本と毛先で薬を使い分けています、場合によっては根本、中間部分、毛先と3つの薬剤を使う場合もあります。

美容師は髪のダメージを考えて薬のパワーを変えている

根本と毛先ではダメージしている度合いが全く違うので必要最低限のパワーの薬でそれぞれ染めていきます。

根本はまったくカラーしていない状態なので脱色力が必要なので強い薬。

毛先はすでにカラーされていてダメージしているので必要以上に脱色によるダメージがないように弱い薬。

のように使い分けています。

市販のカラー剤はパワーの強い薬しか入っていませんので毛先にダメージしやすい薬を付けてしまい、結果傷んでいくといった事が起きてしまいます。

一人に使用する薬の量が多い

ヘアカラーを綺麗に染めるコツの一つにしっかりと薬剤を髪の毛に塗布するという基本的な技術があります。

そのために美容室では根本を染めるだけで薬100g前後カラーを使います、ロングヘアの方だと毛先も合わせて200g以上使うこともザラにあります。

市販のカラー剤は一箱80g前後しか入っていないので薬の量自体が全く足りていません。

これでは均一に塗布するどころか根本を塗るだけのカラー剤がないので塗布量が少なくてむらになる原因になっています。

痛む理由は配合されている成分の違いにもあった‼

痛む現引には成分の違いにも着目する必要があります。

カラー剤は髪の毛のキューティクルを剥がして染料を発色させるためにアルカリ剤が入っています。
このアルカリ剤がサロンのカラー剤と市販のカラー剤では成分が異なります。

サロンカラーはアンモニア系のアルカリ剤
市販のカラー剤にはモノエタノールアミンのアルカリ剤が使用されています。

アンモニア系の薬は匂いが臭い代わりに揮発性が高く効果がすぐに終わってしまうので手早く作業が出来る美容師向けになっています。
揮発性が高いので、髪の毛に残留しにくくダメージがしにくいといった特徴があります。

モノエタノールアミンは匂いが臭くない反面揮発性が低くく、作用がゆっくりなので手早く作業が出来ない一般の方向けとなっていますが、揮発性が低いが故に髪の毛に残留しやすくカラー後のシャンプーでも落ちにくいので日に日に髪が痛む原因になります。

まとめ

市販のカラー剤で髪が傷んだり思ったような色にならないのはちゃんとした理由がある事がわかって頂けたと思います。

美容師としても市販のカラー剤でカラーを繰り返した方の髪の毛のムラを修正するのは非常に難しい技術であり

カラーリング以外の技術、カットやパーマにおいても上手くできない状態になっている方もいます。きれいな髪を維持していきたい人は市販のカラー剤でのセルフカラーをするのはやめておきましょう!!