独特のパーマ臭がする原因
パーマ後の独特の臭いの原因は次の4つが考えられます。
- パーマ液自体が強い臭いの薬剤である
- パーマの作用によって髪の毛から臭ってきている
- 中間水洗が足りない、もしくはしていない
- 2液の酸化不足
一つずつ解説していきます。
原因1:パーマ液自体が強い臭いの薬剤である
パーマ液自体が臭いの強い種類を使っている可能性があります。
特に臭いの強いパーマ液は
- 高アルカリのチオグリコール酸系
- 高アルカリのシステアミン系
- 酸性のラクトンチオール
- 酸性のGMT
高アルカリのの薬剤はアルカリ剤として『アンモニア』を使用しています。
不快臭の代表のアンモニアが使われていますので臭いはかなりきついです。
ラクトンチオールとGMTは酸性領域で還元作用が起きる薬剤ですが
還元剤自体が強烈な臭いがします。
特にラクトンチオールは例えようのない臭いがしますので髪の毛が臭くなってしまうのです。
原因2:パーマの作用によって髪の毛から臭ってきている
パーマ液が髪につくと還元作用が始まります。
髪の毛の中のシスチン結合を切っていきパーマをかけれる状態にしていきます。
このシスチン結合を切る臭いも強い不快臭がします。
細かく説明すると。
シスチン結合『S-S』がパーマ液によって切れて『-SH』になり『メルカプト基』になります。
メルカプト基は『メルカプト臭』を発するので独特の臭いになるのです。
原因3:中間水洗が足りてない、もしくはしていない
パーマ液が作用して十分に還元できれば次に中間水洗を行います。
中間水洗の目的は
- 還元剤の作用をとめる
- 2液の作用をしっかりと作用させる
といった効果があります。
中間水洗をあまりしなかったり、全く行わなかった場合
次に解説する2液の酸化不足に繋がりますのでしっかり流す必要があります。
原因4:2液の酸化不足
2剤の酸化不足はパーマの臭いを残す原因になります。
- 着けもれ
- 塗布量が少ない
- 放置時間が足りない
- 中間水洗が不十分
といった理由により酸化不足がおきます。
パーマ臭を抑える対処方法
原因が分かったところで対処法について書いていきます。
パーマ臭を少なくする対処法は
- 臭いの少ない還元剤を使う
- 中間水洗をしっかりと行う
- 2液の酸化剤をブロム酸を使い時間をかけて酸化させる
- ヘマチンを後処理剤として使う
の4つが効果的です。
対処方法1:臭いの少ない還元剤を使う
臭いの少ないパーマ液を使いましょう。
高アルカリ系のパーマ液は臭いが強いので出来るだけ避けて
低アルカリ系の還元剤を使うといいでしょう。
低アルカリ系の還元剤はアルカリが低いので健康な髪の毛に対して作用しにくいですが、すでにカラーをしていたりパーマがかかっている髪の毛に対しては十分な効果を発揮してくれます。
もし健康な髪の毛であれば比較的低アルカリでも高還元できる
- 『システアミン』
- 『チオグリセリン』
を使用しているパーマ液
アルカリ剤に『モノエタノールアミン』を使用しているパーマ液にすればアンモニア臭は少なくて済むでしょう。
対処方法2:中間水洗をしっかりと行う
中間水洗を3分から5分は行いましょう。
しっかりと中間水洗することでアルカリを中和できますし、臭いの軽減も出来ます。
シャンプー台から炭酸泉が出る機械を導入している場合
炭酸を利用すれば、髪の毛のPHを弱酸性に寄せていけますので消臭効果は高いです。
対処方法3:酸化剤にブロム酸を使いゆっくりと酸化させていく
酸化剤(2液)には
- 過酸化水素水
- ブロム酸(臭素酸ナトリウム)
2種類あります。
過酸化水素水は酸化力が高く短時間で酸化出来ますが、高アルカリの還元剤であったり、中間水洗が不十分であれば過剰に酸化させてしまい『システイン酸』と呼ばれる物質が発生します。
システイン酸は毛髪強度を低下させる原因になります。
お勧めなのはブロム酸です!!
ブロム酸は酸化作用がマイルドで、酸化させるまで時間がかかりますが『二度づけ』を行う性質上着けもれを防ぐことが出来、臭いの原因になる酸化不足を抑える効果が高いです。
対処方法4:後処理剤でヘマチンを髪の毛に付ける。
パーマの後処理剤として『ヘマチン』も有効です。
ヘマチンは豚の血液から抽出した物質でキューティクルにを補修し毛髪内部まで浸透しやすく、ハリコシが出やすくなります。
消臭効果のある2価鉄が成分の中に入っていますので非常に高い消臭効果を発揮してくれます。
ロッドアウトした髪を流した後にヘマチンを塗布してよくもみこんで、1分程度時間をおけばよいでしょう。
パーマ後のホームケア方法
炭酸シャンプーを使う
炭酸シャンプーは髪の毛のPHを弱酸性に戻す効果があります。
パーマ液はアルカリ性のものがほとんどでパーマ施術後は髪の毛のPHがアルカリ側に傾いています
炭酸シャンプーで髪を洗う事でPHを髪の毛本来の弱酸性に持っていく事が可能です。
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ただし、3日に1回程度の使用頻度にしておかないと髪や頭皮の油分を取り過ぎてしまいますので注意してください。
ヘマチンシャンプーを使う
ヘマチンの配合されたシャンプーを使用すれば高い消臭効果を期待できます。
ヘマチンの効果として他にも白髪予防効果、薄毛予防効果もあります。
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アミノ酸系の界面活性剤によるマイルドな洗浄力と髪にハリコシを与えてくれる効果もあります。
今回の記事まとめ
パーマの臭いを抑える方法は
- 低アルカリパーマ液を使う
- 中間水洗を3~5分行う
- 2液の着け漏れ、塗布漏れがないようにする
- ブロム酸を使いゆっくりと酸化させる
- 消臭効果の高いヘマチンを後処理剤として使用する
美容師はこれらの事に気を付けてパーマの施術をして嫌な臭いが残らないようにしましょう。
お客様にお勧めできるヘアケアの方法は
- 炭酸シャンプーを使う
- ヘマチンの配合されたシャンプートリートメントを使ってもらう
このようにすればお客様も快適なパーマヘアを楽しんでもらえるかと思います。
今回の記事はここまでです!
今後も美容に関する記事やテクニックを書いていきますのでよろしくお願いします。