先日ブリーチをしている方にパーマをかけるという事をしましたので記事にしてみました。
『美容師がパーマを断る髪の毛の状態一位』がブリーチ毛です。
ちなみに二位が『縮毛矯正毛』、『三位がホームカラーをしている髪』と勝手に思っています…
ヤバい状態の髪の毛であるとは
ほとんどの美容師が共感してくれると思います。
ブリーチ毛は髪のキューティクルが剝がれていて髪の内部に存在するS-S結合がブリーチによって壊されています。
つまり、普通のパーマ液では髪の毛が溶けてしまい、パーマ自体が髪の毛にかかる部分がほとんどないような状態です。
今回はモデルさんという事で思いきって普段なら断るパーマをかけてみました。
ブリーチ毛にパーマをかけてみる
今回のモデルさんの髪の状態
ビフォアの状態はこちら
トレンドのセンターパートのスタイルです。
髪の毛の施術履歴と診断はこちら
- ブリーチは毛先が3回でリタッチは約2.5cm
- アンダーは18レベルくらい
- 髪の毛の硬さは硬めでブリーチをしていますがしっかりとした髪質
軟毛であればパーマをした時点で髪の毛が切れますが、髪の毛がしっかりしたハリのある髪質ですのでパーマがかかりそうと判断しました。
カットベース
今回はマッシュウルフにするためにバックはツーセクションカット
ミドルセクションとアンダーセクションを繋げずにカットしています。
フロントはマッシュラインにカットして重めに残していますがトップはレイヤーをコンケープ状に入れてトップの軽さを出しつつマッシュ特有の重さを残しています。
巻く前のカットだけの状態の写真を撮り忘れていました…
パーマの巻き方
- ネープは逆巻き1.5回転
- イヤツーイヤより後ろはパーパス1.75回転
- サイドはスパイラルフォワードリバースのミックス
- フロントは平巻き1.75回転を2本積み重ね
- トップはスパイラル巻きフォワード
耳より前のデザインがポイントなので前の方をスパイラル巻きにしています。
前髪をスパイラルに巻くとマッシュバングの毛先が色んな方向に向いてしまうのであえて平巻きにしました。
使用薬剤
使用する薬剤は酸性の還元剤である
パーマズラボ4.0クリームにGMT8%です。
ブリーチ毛にアルカリの還元剤を使用すると悲惨な事になるので基本的にブリーチ毛には酸性の薬剤で対応しましょう。
その際にGMTの割合が少ないほど還元するのにかかる時間がゆっくりになるので難しい髪質の方には時間をかけて還元していく方が安全です。
今回の放置時間は20分
その後テストカールをして中間水洗
過酸化水素水4分
でロッドアウトです。
仕上がり
スタイリングをしてこちらの仕上がり。
二回以上ブリーチをしていましたがパーマがかかりました!
完全にドライしてからワックスをつけます。
スタイリング剤はミルボンプレジュームワックス3番と水を少し足して柔らかくした物を使用。
髪色が明るいのでドライ気味に質感になる方がよく、グリースやジェルでは仕上がりが硬い印象になりぎらついた仕上がりになりますのでワックスの方がいいと思います。
後ろのパーマのかかり具合もいい感じです。
今回使った還元剤のパームズラボは本当に酸性の還元剤なのか?と思うほどしっかりかかります。
過去に使っていた酸性の還元剤はカーリング剤としてはイマイチのかかり具合でしたがこの還元剤はアルカリの還元剤並みにしっかりリッジが出ます。
今まで出来ないと思っていたブリーチ毛やエイジング毛のお客様にもこの還元剤ならパーマ出来そうです。
今後も難しい状態の髪の方にパーマをかける機会があれば投稿していきたいと思います。
<パーマに関する記事>