還元剤の種類が多すぎてどれを使えばいいか分からない美容師の方が多くなっていると思います。
還元剤を使いこなせるようになると
髪の毛のダメージを最小限にしてパーマをかけることが出来る
仕上がりの質感のコントロールが出来る
お客様のライフスタイルに合わせたヘアスタイルを作れる
のようにパーマをコントロールしお客様に合わせたパーマスタイルを提案できるようになるのです。
今回はパーマの還元剤(1液)についてそれぞれの違いを解説していきたいと思います。
還元剤の効果と種類
チオグリコール酸
チオグリコール酸は最も一般的に使われているパーマの薬です。
高アルカリ領域で還元剤が反応するので髪が酸性によっていると反応が悪くなります。
仕上がりはしっかりとした弾力のあるカールでブラシを使ってブローするスタイルにむいています。
アルカリ領域で反応して還元力も高いのでバージン毛や硬髪の方に向いていますが、ダメージしている髪の毛やエイジング毛に対して使うと過剰なダメージを与えてしまいかかり過ぎてしまう事があるのでお勧めはしません。
『チオグリコール酸のメリット』
- しっかりとしたカール感
- アルカリが高く還元力も高い
- 硬い髪やバージン毛にむいている
- ブラシブローする方にお勧め
『チオグリコール酸のデメリット』
- 高アルカリなのでダメージ毛やエイジング毛に使うとかかりすぎる。
- 硫黄の様な香りがする
システイン
システインはアルカリ領域で還元剤が反応する還元剤です。
還元力が低く、仕上がりはハリ感のある質感でハンドブローで仕上げる方にむいています。
『システインのメリット』
- チオグリコール酸と比べ還元力が低い
- ハリのある質感になるので軟毛の人にハリコシを与える
- リッジの形成力が弱めなのでハンドブローでナチュラルに仕上げたい人にむいている
『システインのデメリット』
- プリッとしたカール感は出にくい
- 還元力は低いがアルカリ性で反応するのでダメージ毛の使用には注意が必要
- ウエーブさせるようなヘアスタイルに使うには向いていない
システアミン
システアミンは低いPHでチオグリコール酸並みにパーマがかかるのが特徴です。
最近ではカラーをされている方がほとんどなので、美容の現場で使われることが最も多い還元剤ではないでしょうか。
仕上がりはしっかりとしたカール感がるのでブロースタイルやハンドブローをしてもカールの質感をしっかり残しったいスタイルにむいています。
しかし臭いが強いこともあり中間水洗をしっかりしたり酸化剤の着け漏れがないようにすることが必要になります。
『システアミンのメリット』
- 低アルカリでもチオグリコール酸のカール感が出る
- 低アルカリなのでダメージ毛にもパーマできる
- カールの形成力が高いのでカールを出したいスタイルやブロースタイルにも使える
『システアミンのデメリット』
- 臭いが強い
- 臭いを抑制するために中間水洗をしっかりと行わなければならない
GMT(グリセリン・モノ・チオグリコレート)
GMTは還元剤として欧米では広く使われていましたが日本で使われるようになったの比較的最近です。
酸性から中性領域でチオグリコール酸のようにしっかりとしたカールが出ます。
アルカリ性の還元剤と違いキューティクルを開く力がほとんどないので健康毛や、硬い髪の方には向いていません。
『GMTのメリット』
- 酸性から中性領域でチオ並みにかかる
- ダメージ毛やハイダメージ毛向け
『GMTのデメリット』
- アルカリ性の還元剤と違いキューティクルを開く力がほとんどないので健康毛や、硬い髪の方には向いていない。
ラクトンチオール(スピエラ)
ラクトンチオールは酸性領域でアルカリのシスのように還元できます。
酸性の薬剤であることからダメージ毛やハイダメージ毛に対しての施術に適しています。
GMTと同様にアルカリ性ではないのでキューティクルを開く力がなく健康毛には適していません。
他の還元剤にはない独特の不快臭がしますのでにおいに敏感なお客様は嫌厭されます。
『ラクトンチオールのメリット』
- 酸性領域でシステインの様な仕上がりになる
- ダメージ毛や入ダメージ毛向け
『ラクトンチオールのデメリット』
- 独特な不快臭がする
- 健康毛には適していない
まとめ
ただ薬の力が強い弱いだけで還元剤を使っていたのではないでしょうか?
今回の記事を読んでそれぞれの特性を理解して還元剤を選んでいただけるともう一段階クオリティーの高いヘアスタイルをお客様に提供できるはずです。
今後もパーマにかかわる有益な情報を記事にしていきますのでよろしくお願いします。
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