昨今の美容業界では男性美容師が非常に多くなってきました。
私の勤めているサロンでも12年前は女性美容師が7割で男性美容師は3割ほどでしたが現在は半々くらいの比率です。
このような傾向は美容師業界全般に言えることのようで
インスタグラムやホットペッパービューティーを見てもスタッフの男性割合が高いサロンが多いです。
今回の記事は男性美容師が多くなり、女性美容師が少なくなってきている現状が良いとか悪いとかの内容ではなく
『なぜ男性美容師が多くなってきたのか?』
がテーマです。
元々女性社会だった美容業界はなぜ男性が多くなったのか?
そして、女性美容師が減ってきている社会的な要因を書いていきたいと思います。
何故男性美容師が増えたのか?
元々は女性社会だった美容業界
私の祖母は現在90歳で以前は美容師でした。
そしてその祖母も髪結い師(日本髪を結い上げる仕事)をしていたと聞いています。
祖母はかつて自分のお店を経営しており、女性の従業員を雇って仕事をしていました。
そんな祖母に話を聞くと、「お師匠さんは女性だし、弟子も全員女性だった」とのこと
「男性美容師はいたが、男性の殆どが理容師になっていた」と言っていました。
当時の男性美容師は女性社会の中で非常に肩身の狭い思いをしながら修行時代を過ごしていたのだと想像でき
私なら絶対にメンタルがやられていたと思います(笑)
男性美容師が多くなったのは木村拓哉がドラマに出たから
そんな女性社会だった美容業界が大きく変わったのは
90年代後半に訪れた『カリスマブーム』
火付け役は元SMAPの木村拓哉がドラマの中で美容師の役で出演した
『ビューティフルライフ』です。
木村拓哉がドラマに出れば視聴率は30%は当たり前に出るくらい人気絶頂でしたので、あこがれて美容師になる男性がとても多かったようです。
当時そのブームに乗って男性美容師がメディアに出ることも多くなりました。
美容師であるだけでモテたり、お店の外には出待ちの女性がいたようです。(もはやアイドル!!)
このような背景もあり90年代後半から2000年代前半は男の子のなりたい職業ランキングでも1位になったり、常に上位に入る職業になっていきました。
男性美容師が多くなった社会的要因
男性美容師が多くなった出来事は話しましたが、それだけが要因ではありません。
カリスマブームが去って20年以上たっているにもかかわらず、未だ男性美容師が増え続けているのは社会的な要因もあります。
私はこれから解説する4つの理由が主な要因であると考えています。
男性美容師は生涯働き続けるから
男性は家庭を作り、家族を養っていかなければなりません。
結果、美容師をずっとし続けていく人が多くなるので男性の割合が増えていきます。
男性美容師は
- 大きなサロンで店長や、それ以上の役職につく
- 独立してオーナーになる
- 雇われでも現役でハサミを握り続けてカットする
などの方法で美容師を続けます。
男性美容師はスキルを美容の仕事に全振りしている人がほとんどなので新たな仕事について再スタートが難しく
特に30代を超えていると
『今のサロンで働き続けるか?独立するか?』
の二択になることが多く他の業界を選択する人は非常に少ないのです。
男性が美容室に行く時代になってきたから
お客様として男性が美容室に行く事が一般的になっています。
かつては
『美容室は女性が行くところ』
『男性は理容室に行く』
が基本でした。
しかし最近では小学生のころから美容室で髪を切る男の子も多く、大学生くらいになるとかなりの割合が美容室に行くようになります。
男性の心理としては、「女性ばっかりのお店に入るのは緊張する」といった心理が働きますが、男性が多く働いていればお店に入りやすくなります。
お客様という形で美容師の仕事に触れていると
『美容師になりたい』
といった気持ちが芽生えてくる人がいるのは自然なことです。
女性は結婚してから美容師を続けるのが難しいという業界の体質
女性の美容師さんは大抵が20歳まで美容学校に通い21歳になる年から美容室で働くことになります。(もちろん男性美容師も同じです)
美容師が一人前になるまでには多くの技術の習得が必要です。
- シャンプー
- カラーリング
- パーマ
- ブロー
- カット
- メイク
- ヘアセット
- 着付け
これだけの技術を習得せねばなりません。
練習は営業時間外にすることになるので夜の10時、11時、までレッスンするのは当たり前にあります。
個人差はありますが、平均するとスタイリストになるまでに必要な期間は4~6年。
結婚して家事もしないといけないようでしたら、自分のレッスンどころではありません。
結婚を機にやめざるを得ない人もいます。
スタイリストになっていた場合でも
営業終了時間が9時や10時になるサロンもありますので基本的に帰りは遅くなります。
子供が出来た場合は仕事を続けていくのは困難です。
そのような業界の体質自体が原因でやめざるを得ない女性はとても多いのです。
最近では時短勤務が出来るサロンや育休、産休を取得できるサロンが多くなり
短期間でスタイリストになれる教育カリキュラムを行っているサロンも増えて、少しづつではありますが改善していっています。
女性美容師は仕事の幅が広い
美容学校時点では女子生徒の数の方が多いです。
それはなぜか?
女性の方が美容免許を取得していることで就職先が美容師以外にも多くの選択肢があります。
- 美容師
- アイラッシュサロン(まつエク、まつ毛パーマ)
- ネイリスト
- ブライダル関係
- メイク
- ヘアメイク
- エステ
美容に携わる仕事が女性には多いのです。
美容師をやってみたがネイリストになる。
ブライダルに転職するといった人もいます。
まとめ
男性美容師が多くなっていった過程や、社会的要因を解説していきました。
まとめると
- 相対的に男性の方が続けやすい業態である事
- 女性が選べる美容関係の仕事の選択肢が多い
現在女性美容師の需要は高まっています。
男性に髪を触られるのが苦手であるお客様や、女性同士で共感できる部分を求められている方お客様も多く
女性美容師は多くのアドバンテージがある
と私は日ごろから感じています。
今後も美容に関する有益な情報や話をお届けいたしますのでよろしくお願いします。